平成29年1月
産業日本語の浸透を目指して
産業日本語研究会では、情報発信力や知的生産性の飛躍への貢献を通じて、我が国産業界全体の国際競争力の強化に資する日本語(「産業日本語」と呼称します)の浸透を図るために、「第8回産業日本語研究会・シンポジウム」を以下のとおり開催することになりました。
今回のシンポジウムでは、グローバル化が急速に進む中、多言語によるコミュニケーションがいかにあるべきか、多言語で発信する源にもなる日本語文書が伝わるものとするためには何に留意すべきかといった観点から、伝わる情報の作成に関する最新の取り組みや研究についてご紹介していただきます。
さらに、ビッグデータとしての活用が進みつつある文書データを効果的に活用していくための最新の取り組みや研究についてご紹介していただき、人工知能等の情報処理技術を活用して、文書データを効果的に活用していく方法を追求していきます。
本シンポジウムが、文書作成や文書データの活用に関する取組を強化していくきっかけとなることを期待しております。
■主催:
高度言語情報融合フォーラム(ALAGIN)、日本特許情報機構(Japio)
■後援:
総務省、文部科学省、経済産業省、特許庁、国立国語研究所、情報通信研究機構、
工業所有権情報・研修館、情報処理学会、人工知能学会、言語処理学会、
日本経済団体連合会、日本知的財産協会、アジア太平洋機械翻訳協会、
大学技術移転協議会、フジサンケイビジネスアイ
■日時:
平成29年3月8日(水) 13:00-18:00予定
■場所:
■テーマ:
産業日本語の浸透を目指して
■参加費:
無料(事前登録制、懇談会・意見交換会は要会費)
■事前申込先
申込みは終了しました
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【第一部】オープニング
(1)開会挨拶:
長尾 眞 | 産業日本語研究会 世話人会 顧問/ 公益財団法人 国際高等研究所 所長/ |
|
京都大学 名誉教授 |
(2)基調講演:
「人工知能が拓く多言語ビジネスの世界」
井佐原 均 | 産業日本語研究会 世話人会 代表/ 豊橋技術科学大学 情報メディア基盤センター長・教授 |
田丸 健三郎 | 日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 ナショナル テクノロジー オフィサー |
人工知能やビッグデータの実用化により、機械翻訳をはじめとする自然言語処理技術の活用がビジネスクオリティの向上に直結しはじめた。本講演では、前半で個々のニーズに沿った多言語サービス構築の必要性と、そこで必要となる言語データ共有の重要性について述べる。後半では最先端の機械翻訳技術の紹介を通して、企業における多言語サービスの利活用の可能性を示す。
【第二部】 伝わる文書の作成に向けて
(3)招待講演:
「日本人(ビジネスマン)のための日本語(ビジネス文章)マニュアル(暫定第1版)」の紹介
佐野 洋 | 東京外国語大学 教授 |
「日本人のための日本語マニュアル(暫定第1版)」を紹介する。本マニュアルは、思考の表出・伝達形式と、相互理解のための言語様式を指南する。本マニュアルは言語を、情報流通に係わる表象操作を標準化する道具として捉える。そして言語に依存しない情報表出・伝達の共通性の認識と、日本語表現をその形式に近づけるための再利用性のある書き換えの指示(ライティングルール)に焦点をあてる。本マニュアルは、日本語の現象分析ではなく、読ませる文章のための技法示教でもない。思考表出の約束事としての「段(パラグラフ)」の規格化を通じて、公共性の高い産業日本語の書き方を普遍財として普及していくことを目指している。本マニュアルに即して産出される産業日本語文章は、機械学習の対象としてのデータ-日本語テキスト-の質向上に資すると考える。
(4) 招待講演:
「制限言語とオーサリング支援システム:機械翻訳を活用した文書の多言語展開に向けて」
宮田 玲 | 東京大学大学院 教育学研究科/ | |
日本学術振興会 特別研究員 |
原文の言語表現をコントロールすることで機械翻訳を実用的に活用する手法として、制限言語(Controlled Language)の研究がこれまで進められており、その有効性も実証されている。しかし、現実の運用場面では、多数のルールで構成される制限言語に従った原文執筆は容易ではなく、執筆・書き換え作業を機械的に支援することが求められる。本講演では、まず制限言語の研究動向を概観した上で、自治体文書向けに作成した日本語制限言語ルールの性能評価実験の結果を報告する。さらに現在開発中のオーサリング支援システムを紹介し、制限言語の運用上の課題について議論する。
【第三部】 ポスターセッション
(5)ポスター概要紹介
① 「ライティング分科会活動報告」
猪野 真理枝 | 東京外国語大学オープンアカデミー講師/ | |
翻訳家、語学教材制作家/ | ||
産業日本語研究会 ライティング分科会 委員 |
② 「文書作成支援分科会活動報告」
橋田 浩一 | 東京大学 教授/ 産業日本語研究会 文書作成支援分科会 主査 |
③ 「特許文書分科会活動報告」
谷川 英和 | IRD国際特許事務所 所長・弁理士/ 産業日本語研究会 特許文書分科会 主査 |
④ 「多言語高精度自動翻訳システムの実用化」
隅田 英一郎 | 国立研究開発法人 情報通信研究機構 先進的音声翻訳研究開発推進センター |
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副研究開発推進センター長/ | ||
先進的翻訳技術研究室 室長 |
⑤ 「Japio世界特許情報全文検索サービスのご紹介」
髙橋 幸生 | 一般財団法人 日本特許情報機構 営業推進部 部長 |
(6)ポスター発表(ホワイエにて開催):
【第四部】 文書データの効果的な利用に向けて
(7)招待講演:
「診療データの産業利用と課題 -千年カルテプロジェクト-」
吉原 博幸 | 京都大学 医学研究科 EHR共同研究講座 (ディレクター、京都大学名誉教授) 宮崎大学 医学部附属病院 EHR利用推進センター (特別教授、宮崎大学名誉教授) |
2001年、経済産業省の支援により始まった地域EHRプロジェクト”Dolphin Project”は、宮崎、熊本、東京、京都と拡がり、2007年頃には日本全国をターゲットとした「生涯カルテ」の実現のため、国レベルでの共同利用型EHRをめざすようになり、2011年の大震災でのカルテ喪失の反省から、その重要性が再認識されるようになった。2014年、内閣官房 健康・医療戦略室によって、「次世代医療ICT基盤タスクフォース」が設置され、その後協議会に発展、2015年度から協議会に様々なワーキンググループが設置された。我々の「千年カルテプロジェクト」は2015年度から稼働し、2018年度までの4年間に数百の病院を束ねたEHRを稼働させ、2019年度以降、診療データを産業利用も含めて2次利用する計画である。プロジェクトの現状と問題点について述べる。
(8)招待講演:
「文書管理システムとナレッジマネジメント」
小林 潔 | 株式会社富士通総研 第一コンサルティング | |
本部シニアマネジングコンサルタント |
山下 敦 | 富士通株式会社 ビジネスソリューション本部 | |
ソーシャルネットソリューション事業部 | ||
ドキュメントソリューション部 部長 |
完成文書を「記録」として管理することから始まった「文書管理システム」が、「ナレッジ」の倉庫として活用されてきた歴史を紹介する。また、ICTの発展で可能となった関連システムとの連携やAIなどによる対応を含めた、現在のトレンドと到達点を述べる
(9)招待講演:
「企業における文書管理と文書作成の課題」
國分 裕之 | 全日本空輸株式会社 取締役執行役員 人財戦略室長/ | |
ANA人財大学長 |
企業内には、業務の拠り所となる規定・マニュアル類、各種取扱い・運用変更等を周知徹底するための通達・通報・業務連絡、レポート・稟議・会議資料等の内部向け文書、そして主にWebサイトを通して発信するお客様向けご案内等、莫大な量の文書が存在します。それらをしっかり管理し活用していくために様々な工夫を行っていますが、何より文書そのものを「伝わる分り易いもの」としていく必要があります。また、事業のグローバル化の推進に伴い、多言語対応をより迅速にかつ正確に実施していくことが喫緊の課題となっています。本講演では、当社の取組み事例をご紹介すると共に、皆様より多くのアドバイスを戴きたいと考えています。
(10)パネル討論:
<パネリスト>
吉原 博幸 | 京都大学 医学研究科EHR共同研究講座 (ディレクター、京都大学名誉教授) |
|
宮崎大学 医学部附属病院 EHR利用推進センター (特別教授、宮崎大学名誉教授) |
小林 潔 | 株式会社富士通総研 第一コンサルティング本部 | |
シニアマネジングコンサルタント |
山下 敦 | 富士通株式会社 ビジネスソリューション本部 | |
ソーシャルネットソリューション事業部 | ||
ドキュメントソリューション部 部長 |
國分 裕之 | 全日本空輸株式会社 取締役執行役員 人財戦略室長/ | |
ANA人財大学長 |
(11)閉会挨拶:
井佐原 均 | 産業日本語研究会 世話人会 代表/ | |
豊橋技術科学大学 情報メディア基盤センター長・教授 |
■懇談会・意見交換会
シンポジウム終了後、丸ビル5FレストランWest Park Cafeにて懇親会・意見交換会
(定員:先着50名、会費:3,000円)の開催を予定しております。会費は、シンポジウム受付にて当日お支払いいただきます。領収書が必要な方は受付にてお申出ください。
■シンポジウム全般のお問い合わせ先
高度言語融合フォーラム(ALAGIN)内
産業日本語研究会シンポジウム事務局 担当 岡本
TEL 03-3351-8166
■事前申込締切 3月3日(金)
ご参加希望の方は、以下の「事前申し込み」をお早めに行ってください。座席数(200席)が満席になり次第、申込を締め切らせていただきます。
申込手続等についてご不明な点がございましたら、上記までにご連絡いただければ幸いです。
なお、座席に空きがある限り、直前、当日の申し込みもお受けいたします。
■事前申込先
申込みは終了しました