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第7回産業日本語研究会・シンポジウム開催のご案内

開催の趣旨について

平成28年1月

人工知能と産業日本語の出会い
 ~先進的グローバル・ビジネスへの展開と躍進~

産業日本語研究会では、産業用文書の作成に適し、産業分野・科学技術分野における情報発信力や知的生産性の飛躍に貢献するとともに、我が国産業界全体の国際競争力の強化に資する日本語(「産業日本語」と呼称します)に関し、昨年に引き続き「第7回産業日本語研究会・シンポジウム」を下記のとおり開催することになりました。

本シンポジウムでは、産業日本語が人工知能と出会うことで、更なる展開と躍進を目指します。我が国企業によるグローバル・ビジネス領域での言語処理技術や人工知能技術の先進的な適用事例を紹介し、産業日本語に期待される重要な役割につき議論できる場といたします。

本シンポジウムは、以下の日時、内容にて行ないます。参加費は無料です。ぜひ多数の方にご参加いただきたく、ご案内申し上げる次第です。よろしくお願いいたします。

 

顧問: 長尾 眞 (京都大学名誉教授)
代表: 井佐原 均 (豊橋技術科学大学)
  辻井 潤一 (産業技術総合研究所)
  橋田 浩一 (東京大学)
  隅田 英一郎 (情報通信研究機構)
  山口 昌也 (国立国語研究所)
  潮田 明 (元奈良先端科学技術大学院大学)
  横井 俊夫 (日本特許情報機構特許情報研究所)
  河合 弘明 (日本特許情報機構)

 


■主催:

高度言語情報融合フォーラム(ALAGIN)、言語処理学会、日本特許情報機構(Japio)

■後援(予定):

総務省、経済産業省、特許庁、国立国語研究所、情報通信研究機構、工業所有権情報・研修館、情報処理学会、人工知能学会、日本知的財産協会、アジア太平洋機械翻訳協会、大学技術移転協議会、フジサンケイビジネスアイ

■日時:

平成28年2 月29日(月) 13:00-18:00

■場所:

東京・丸ビルホール(丸の内ビルディング7階)

■テーマ:

人工知能と産業日本語の出会い
   ~先進的グローバル・ビジネスへの展開と躍進~

■参加費:

無料(事前登録制、懇談会・意見交換会は要会費)

 


<< プログラム >>

第一部 オープニング

13:00 - 14:05

 

(1)開会挨拶

 

  長尾 眞 公益財団法人 国際高等研究所 所長
/国立大学法人 京都大学 名誉教授

 

(2)基調講演:日本語の全体像を知るために―国立国語研究所による言語資源整備―

 

  前川 喜久雄 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立国語研究所
副所長/言語資源研究系長 教授

概要:産業日本語のような試みが必要とされる背景には、日本語の多様性の問題がある。言語の多様性というと世界諸言語の多様性に注目が集まりやすいが、実は日本語の内部にも一般に想像されるよりも大きな多様性がある。多様性をもたらす要因としては言語の歴史的変化と方言の分化があることが古くから知られているが、これらが要因のすべてではない。現代語の書き言葉だけに着目してもかなり顕著な文法のゆれが観察されるし、話し言葉の多様性についてはそれをどう把握するかについて試行錯誤が続いている段階である。日本語を含めた自然言語にはいわば内在的かつ本質的に多様性が存在しているように思われる。したがって日本語の科学的研究の重要な目的のひとつは多様性をはらんだ日本語の全体像を客観的に把握することであると考えられる。そのためには各種コーパスに代表される言語資源の組織的な整備が必須であるし、コーパスアノテーション技術や言語構造の自動解析技術などの基礎研究も重要である。この講演では国立国語研究所が近年推進してきたKOTONOHA計画による言語資源整備の進捗状況を紹介し、今後の整備計画を紹介する。産業日本語のような試みも日本語の多様性の把握に立脚して進められてこそ有効に機能するであろう。

(3)特別講演:言語理解と人工知能

 

  辻井 潤一 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
人工知能研究センター 研究センター長
/国立大学法人 東京大学 名誉教授

概要:言語処理が言語の表層を操作する分野を指すのに対して、言語理解は、言語とそれ以外のものとを対応つける技術分野を指す。後者は、人工知能の中核分野の一つであるが、その長い歴史は必ずしも成功の歴史ではない。その原因はいろいろ考えられるが、言語を対応づける相手に関する技術が未発達であったこと、対応づける相手を「意味」という抽象的な存在だと考えたことで、経験主義的な健全な研究ができなかったことが、大きな阻害要因であったと思う。現在の人工知能ブームは、この2つの阻害要因を取り除くことで、言語理解の研究にもある種の飛躍をもたらすことが期待される。このような観点から、研究を組み立てることを考えて見たい。

 

第二部 産業界と産業日本語の交わり

14:05 - 15:10

 

(4)産学連携における学術用語の一般化

 

  山本 貴史 株式会社東京大学TLO 代表取締役社長

概要:大学から産業界への技術移転を行う際、アカデミアにおける学術用語を技術用語に変換しただけでは、円滑なコミュニケーションは行えない。大学の技術を事業化するのは産業界であり、その意思決定を行うのは、必ずしもその技術に精通した人であるとは限らないからである。また、昨今は海外企業への産学連携も増加傾向に有り、日本語のみのコミュニケーションでは十分とは言えない。これを外国語に翻訳し、誰もが理解できるフォーマットの開発も求められる。本講演では、産学連携の現場で求められる言語について言及したい。

(5) 日本企業の一層のグローバル化と産業日本語

 

  井上 二三夫 シスメックス株式会社 研究開発企画本部 副本部長 兼
知的財産部長/一般社団法人 日本知的財産協会 副理事長

概要:世界のGNIは1990年比で3.4倍に成長しているが、日本の成長は1.5倍程にとどまっている。また、1990年代前半の日本のGNIの世界GNIに占める割合は17%前後であったが、現在はその1/3の約6%に低下している。日本のGNI成長には、日本企業の一層のグローバル化が必要となるが、そこには多くの課題が存在する。課題解決に当たり、まずは言語の障壁を取り除く必要があるが、産業日本語の浸透や機械翻訳の普及により多くの課題が解決し、日本企業のグローバル化が加速するものと考える。

(6) 研究会報告:「日本人のための日本語マニュアル」のご紹介

 

  横井 俊夫 一般財団法人 日本特許情報機構 特許情報研究所 顧問
/学校法人片柳学園 東京工科大学 名誉教授

概要:産業日本語研究会の活動として「日本語マニュアルの会」が制作した「日本人のための日本語マニュアル」を紹介する。本マニュアルは、日本人ビジネスマンを対象にしたビジネス文章ライティングマニュアルである。詳細は、【第五部ポスターセッション】へお運びいただきたい。日本語へのアプローチとしては、日本語マニュアルが次世代知的テキスト処理とビックデータとを結ぶものとなることが期待される。

《 休憩 10分 》

 

第三部 人工知能研究と言語処理研究の最前線

15:20 - 17:00

 

(7)特別講演:質問応答タスクと自然言語処理

 

  武田 浩一 日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 技術理事

概要:TVクイズ番組に挑戦する質問応答システムWatsonの開発において自然言語処理は極めて重要な役割を果たした。これに解候補や根拠の検索と、解のスコアリングのための機械学習を組み合わせたタスク設計が効果的であった。一方で、主に言語資源からなる情報源と学習データを確保しつつ人手によるオントロジー等の作成を回避できたことも大きな要因であった。本講演では特にこのコンテンツ面に注目したプロジェクトへの寄与について検討する。

(8)リクルートAI研究所から見る言語処理研究への期待

 

  石山 洸 株式会社リクルートホールディングス
R&D本部 Recruit Institute of Technology室長

概要:人材領域のビジネスを言語処理的な枠組みから表現すると、レジュメと呼ばれる非構造の自然言語で記述された求職者サイドのデータと、職務記述書と呼ばれる同じく非構造の自然言語で記述された企業によって提供される雇用者サイドのデータをマッチングするビジネスと表現できる。本講演では、リクルートAI研究所が上記のような実問題を解くにあたって人工知能と言語処理に期待する役割について紹介する。

(9)ニュースアプリケーションにおける自然言語処理

 

  徳永 拓之 スマートニュース株式会社 エンジニア

概要:「スマートニュース」はスマートフォン専用のニュースアグリゲータである。アプリケーションを起動するとニュース記事などが表示されるだけであるが、その裏側ではインターネット上から膨大なニュースを収集、分析、選定し、アプリケーションへと配信している。本講演では、このスマートニュースの裏側の記事の分析作業に使われる自然言語処理技術について紹介する。

(10)1000社が採用 「見える化エンジン」が挑戦し続けるテキストマイニングのビジネス利用最前線

 

  坂 慎弥 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
見える化エンジン事業部 テキストマイニング研究G
グループマネージャー

概要:企業活動でのテキストであるアンケート自由回答やコールセンターログ、SNSデータは、商品開発や品質向上の現場ではVOC(Voice of Customer, 顧客の声)と呼ばれ、PDCAサイクルの重要な情報源として扱われている。このサイクルの中で、クラウド型のテキストマイニング分析ツール「見える化エンジン」は利用されている。しかしながら、顧客の声であるテキストは、アンケート回答のような書き言葉だけでなく、ツイッターで用いられる話し言葉、通話データやチャットのような対話など複雑化している。また、テキスト分析には、同じ言葉であっても業界や業種ごとに適した意味で示さなければならないという課題が常にある。経営判断の素材となるには、これらの課題の克服が必要である。本講演では、ビジネスの現場で扱われる多様性あるテキストへの、先進技術による日々の取り組みを紹介する。

《 休憩 5分 》

 

第四部 人工知能と産業日本語の出会い

17:05 - 18:00

 

(11)パネル討論

 

  モデレータ 渡部 俊也 国立大学法人 東京大学 政策ビジョン研究センター 教授
  パネリスト 前川 喜久雄 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立国語研究所
副所長/言語資源研究系長 教授
    武田 浩一 日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 技術理事
    石山 洸 株式会社リクルートホールディングス
R&D本部 Recruit Institute of Technology室長
    徳永 拓之 スマートニュース株式会社 エンジニア
    坂 慎弥 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
見える化エンジン事業部 テキストマイニング研究G
グループマネージャー

(12)閉会挨拶

 

  井佐原 均 産業日本語研究会 代表世話人
/国立大学法人 豊橋技術科学大学
情報メディア基盤センター センター長 教授

 

第五部 ポスターセッション(ホワイエにて開催)

12:30 - 18:15

 

(13)「特許版・産業日本語委員会」活動報告

(14)「特許ライティングマニュアル<改訂版>」(日本特許情報機構)

(15)「日本語マニュアルの会」活動報告(日本語マニュアルの会)

(16)特別展示:請求項パターンと統計に基づく特許の高精度自動翻訳(情報通信研究機構)

(17)特別展示:1000社が採用「見える化エンジン」TM(プラスアルファ・コンサルティング)

 

■懇談会・意見交換会

シンポジウム終了後、丸ビル内レストランにて懇親会・意見交換会(定員:先着50名、会費:3,000円)の開催を予定しております。会費は、シンポジウム受付にて当日お支払いいただきます。領収書が必要な方は受付にてお申出ください。

■シンポジウム全般のお問い合わせ先

高度言語融合フォーラム(ALAGIN)内
 産業日本語研究会シンポジウム事務局 担当 宇都(うつ)
 TEL 03-3351-8155

■事前申込締切 2月22日(月)

※座席に若干の余裕がありますので、当日の申し込みもお受けいたします(先着順となります)。
  申込手続等についてご不明な点がございましたら、上記までにご連絡いただければ幸いです。

■事前申込先

事前申込みは終了しました