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第3回 産業日本語研究会・シンポジウム開催のご案内

172名の多数の皆様にご参加頂き開催しました。ありがとうございました。
(平成24年2月29日開催)

「第3回産業日本語研究会・シンポジウム」発表資料を掲載致しました。(平成24年3月19日)

開催の趣旨について

平成24年1月

産業日本語研究会では、産業用文書の作成に適し、産業分野・科学技術分野における情報発信力や知的生産性の飛躍に貢献するとともに、わが国産業界全体の国際競争力の強化に資する日本語(「産業日本語」と呼称します)に関し、「産業日本語に係る活動の具体化」をメインテーマとして、「第3回産業日本語研究会・シンポジウム」を下記のとおり開催することになりました。 本シンポジウムでは、日本を代表するグローバル企業のみならず、中小企業も含めて海外展開の必要性が増加し、日本語で書かれた各種ドキュメントを効率的に翻訳できる「産業日本語」への期待が増大している状況の中、この活動の報告を行うとともに、この活動の具体化としてプラットフォーム等の関連技術のデモ展示に触れて頂き、産業日本語の活動の広がりと次のステップへ向けた可能性を感じ取ることができるよう企画いたしました。

本シンポジウムは、以下の日時、内容にて行ないます。参加費は無料です。ぜひ多数の方にご参加いただきたく、ご案内申し上げる次第です。よろしくお願いいたします。

 

顧問:長尾  眞 (国立国会図書館)

代表:井佐原 均 (豊橋技術科学大学)
    辻井 潤一 (東京大学/マイクロソフトリサーチアジア研究所)
    橋田 浩一 (言語処理学会/産業技術総合研究所)
    山崎  誠 (国立国語研究所)
    隅田英一郎 (情報通信研究機構)
    横井 俊夫 (Japio特許情報研究所)


■主催:

高度言語情報融合フォーラム(ALAGIN)、言語処理学会、一般財団法人日本特許情報機構(Japio)

■後援(予定):

総務省、経済産業省、特許庁、大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所、独立行政法人情報通信研究機構、独立行政法人工業所有権情報・研修館、社団法人情報処理学会、社団法人人工知能学会、アジア太平洋機械翻訳協会

■日時:

2012年2月29日(水) 13:00 – 17:30

■場所:

東京大学 情報学環・福武ホール ラーニングシアター (東京大学 本郷キャンパス)

■目的:

産業日本語に係る活動の具体化 ~活動の広がりと次のステップへ~

■参加費:

無料(事前登録制)

 


<< プログラム >>

(1)開会挨拶 13:00 - 13:10

長尾 眞 国立国会図書館館長

第一部

(2)講演1 産業日本語を俯瞰し、体験し、考えるシンポジウム 13:10 - 13:25

隅田 英一郎 独立行政法人情報通信研究機構 多言語研究室室長

概要: 本シンポジウムでは、日本国の社会経済的な発展のために不可欠な効率的なコミュニケーション手段としての産業日本語を実現するために必要な事柄について、具体的な研究活動の成果や動的展示を一堂に集めてご紹介いたします。活発な議論をへて多様なアイデアが相互に関連付き産業日本語が次の有機的なステージに移行するためのステップとして本シンポジウムが機能することを期待して、産業日本語の簡単な俯瞰を行います。

(3)招待講演 日本語防衛戦略:言語と文化の安全保障を考える 13:25 - 13:55

津田 幸男 国立大学法人筑波大学 人文社会系現代語・現代文化専攻教授

概要: 講師が2011年に出版した「日本語防衛論」の視点から、これからの日本語のあり方を提言する。世界の英語支配の現状を概観した後、言語と文化においても「安全保障」の視点が重要であることを指摘し、その観点から「日本語防衛戦略」として「日本語を国際語にする」「日本語保護法の制定」「日本語本位の教育の確立」「日本をもっと宣伝せよ」「日本では日本語を話せ」の5つの具体的計画と行動について論ずる。また、日本語防衛・普及の拠点を国家戦略局に置き、日本語の保護・育成国際的地位と威信の強化を図るべきと提案する。

(4)講演2 産業日本語に関連する動向報告 13:55 - 14:15

山崎 誠 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立国語研究所 言語資源研究系准教授

概要: コミュニケーションの向上を目的として日本語に制限を加える取り組みを実用(産)・行政(官)・学術(学)および海外の動向をまじえて紹介する。実用面ではテクニカルコミュニケーター協会の取り組みおよび報道機関における用語使用について、行政においては国語政策および国立国研究所の活動について、学術面では、主に日本語教育にまつわる取り組みを紹介する。海外の事例としては米国のPlain Englishについて紹介する。日本の動向に関して以下の2点を指摘する。(1)文字・表記・語彙に関する取り組みは多いが、文法や文章構成については十分ではないこと。(2)それぞれの取り組みの間の連携が不十分であること。

《 休憩 15分 》

(5)講演3 産業日本語PF委員会の活動報告 14:30 - 14:55

- 産業と日本語とのかかわりを広く検討する -

井佐原 均 国立大学法人豊橋技術科学大学 情報メディア基盤センター教授/産業日本語研究会産業日本語プラットフォーム委員会委員長

概要: 産業日本語研究会の実働部隊として産業日本語プラットフォーム(PF)委員会の活動を行ってきた。自然言語処理の第一線の研究者と、企業からの参加者による構成で、産業と日本語とのかかわりを広く検討し、情報処理技術によって、日本語の運用(生成、理解、検索など)を支援することを目指した。翻訳しやすい、検索しやすいという立場から見れば、利用しやすい日本語を作る環境を追求するともいえる。この方向性の下で、課題を整理しつつ、具体的な計画の立案などの方向性を模索した。

(6)講演4 特許オントロジーの設計と応用 14:55 - 15:20

橋田 浩一 言語処理学会会長/独立行政法人産業技術総合研究所 社会知能技術研究ラボ長/特許版・産業日本語委員会特許オントロジー検討小委員会委員長

概要: オントロジーとは知識体系の形式的な定義であり、当該の領域に現われる概念の意味や相互関係を記述する。特許文書の意味を人間とコンピュータが共有できる仕方で記述するオントロジーの設計と、それに基づく検索、入力支援、読解支援、翻訳、発想支援等の利用法について検討を進めている。その内容を紹介するとともに、応用や展開の可能性について論ずる。

(7)講演5 特許ライティングマニュアル 15:20 - 15:45

-特許ライティングにおける「伝える日本語」と「訳せる日本語」-

横井 俊夫 一般財団法人日本特許情報機構 特許情報研究所顧問/特許版・産業日本語委員会特許ライティングタスクフォースタスクフォース長

概要: 明晰な特許文章を書き、翻訳できる特許文章を書くための特許文章ライティングマニュアルを紹介する。マニュアルの制作は、Japio(日本特許情報機構)における特許ライティング・タスクフォース(PWTF)の平成22・23年度の活動に基づいて進められている。特許ライティングのプロトタイプとなるモデルプロセスを定める。そのモデルプロセスの中に、「試みる日本語」「表わす日本語」「伝える日本語」「訳せる日本語」という産業日本語の諸側面を位置付ける。紹介は、特許文章ライティングおける「訳せる日本語」に焦点を絞る。「訳せる日本語」は、「中継言語」として、多言語対応の翻訳原稿を書くための日本語である。特許文書における文例を対象に、英語と中国語に対する翻訳工程例を示す。工程例は、翻訳者による翻訳と市販の機械翻訳による翻訳との両方に対応している。

(8)全体討論 質疑応答 15:45 - 16:05

 

第二部

(9)産業日本語関連デモ展示の紹介(各5~10分) 16:05 - 17:00

日本語テキスト難易度測定ツール 『帯』

紹介者: 佐藤 理史 国立大学法人名古屋大学 大学院工学研究科 電子情報システム専攻教授 佐藤・駒谷研究室

 

可読性診断技術

紹介者: 東芝ソリューション株式会社 IT技術研究所

 

文書校閲システム

紹介者: 株式会社ミック 営業部

 

Acrolinx IQ

紹介者: アクロリンクス株式会社 Acrolinx IQ 担当 

 

特許明細書半自動生成システム PatentGenerator

紹介者: 有限会社アイ・アール・ディー(IRD 国際特許事務所)

 

翻訳可能特許文書作成支援システム

紹介者: 池田 秀人 有限会社サイバープロ 代表取締役

 

みんなの翻訳

紹介者: 独立行政法人情報通信研究機構 多言語翻訳研究室

 

入力・校正ソリューション ATOK & Just Right!

紹介者: 株式会社ジャストシステム

《 講演会場からデモ会場へ移動 》

(10)産業日本語関連デモ展示セッション(於 デモ会場)

17:00 - 17:30

 

第三部

懇親会・意見交換セッション 17:30 - 19:00

※第二部産業日本語関連デモ展示セッションは、福武ホールスタジオ2,3において、出展各社の説明員によるデモンストレーションを行います。

※第三部懇親会は、福武ホールスタジオ1(スタジオ2,3と一体)にて、ささやかですが、飲み物など準備して おりますので、こちらも是非ご参加の上、参加の方々でご交流ください。

■事前申込締切: 2月22日(水)
満席になりましたので、申し込みを締め切らせていただきます。

■事前申込先:
第3回産業日本語研究会・シンポジウム申込みへ  

■シンポジウム全般のお問い合わせ先:
  第3回産業日本語研究会・シンポジウム事務局 担当 信(のぶ)
  (一般財団法人テレコム先端技術研究支援センター内)TEL 03-3351-8423