平成30年12月
人工知能時代の産業日本語
~分かりやすい日本語の実現に向けて~
産業日本語研究会では、情報発信力や知的生産性の飛躍への貢献を通じて、我が国産業界全体の国際競争力の強化に資する日本語(「産業日本語」と呼称します)の浸透を図るために、「第10回産業日本語研究会・シンポジウム」を以下のとおり開催することになりました。
現代社会はすでに自然な形で「人工知能」を受け入れています。そして、ビジネスの分野においても、ニューラルネットワークをはじめとする人工知能技術により、多言語での情報発信や文章データ処理はさらなる発展を遂げてきました。そこで、今回のシンポジウムでは、この人工知能時代の中で我々に求められる日本語スキルやデータ活用を考えるうえで示唆に富む最新の取り組みや研究について紹介していただきます。
本シンポジウムが、産業日本語の更なる普及につながり、我が国産業に大いに貢献できる機会になると期待しております。産業界、学術界などからの、多くの皆さまのご参加をお待ちしております。
■主催:
高度言語情報融合フォーラム(ALAGIN)、日本特許情報機構(Japio)
■後援:
総務省、文部科学省、経済産業省、特許庁、千代田区、国立国語研究所、情報通信研究機構、
工業所有権情報・研修館、情報処理学会、人工知能学会、言語処理学会、
日本経済団体連合会、日本知的財産協会、アジア太平洋機械翻訳協会、
大学技術移転協議会、フジサンケイビジネスアイ
■日時:
平成31年2月21日(木) 13:00-18:00
■場所:
■テーマ:
人工知能時代の産業日本語
~分かりやすい日本語の実現に向けて~
■参加費:
無料(事前登録制、懇談会・意見交換会は要会費:3,000円)
■事前申込先
満席につき、事前申込は終了しました
<< プログラム >>
【オープニング】
(1)開会挨拶
長尾 眞 | 産業日本語研究会 世話人会 顧問/ | |
京都大学 名誉教授 |
【第一部】
(2)基調講演
『10年を迎えた産業日本語』
井佐原 均 | 産業日本語研究会 世話人会 代表/ 豊橋技術科学大学 情報メディア基盤センター長・教授 |
(3)招待講演
『SNS時代の文章』
前田 安正 | 朝日新聞 メディアプロダクション校閲事業部長 |
発信者が比較的限られていた紙媒体の時代から、インターネットの普及で誰もがSNSなどを通じて発信できる時代になった。若者を中心に、SNS独特の表現文化を生み出している。しかしその一方、SNSを通じてのコミュニケーションは内輪の通信手段として機能し、第三者に対して自らの意見を正確に伝える能力が弱まっているようにも見える。第三者に向けて書くとはどういうことなのか、文と文章の構成を確認しながら、問題点を探ってみたい。
(4)招待講演
『わかりやすいビジネス文書の条件』
石黒 圭 | 国立国語研究所 教授/一橋大学大学院 連携教授 |
ビジネス文書はこれまで、企業内の守秘義務の壁に阻まれ、その実態の把握が難しかったが、オンライン上で不特定多数の人に業務を発注するクラウドソーシングの普及により、生のビジネス文書をコーパス化し、言語学的に分析できる環境が整いつつある。本講演では、クラウドワークス社から提供された発注文書に見られる日本語表現上の問題点を、①表記面、②語彙面、③文法面、④情報面、⑤知識面、⑥配慮面の六つの観点から抽出して整理し、その改善法を提案する。
(5)特別講演
『一つの台詞に込める思い』
柳亭 こみち | 一般社団法人落語協会 落語家 |
「おはようございます」ひとつでも無限に表現の仕方を変えられるのが、プロの噺家である、と修行時代に教わりました。たった一人の演者の言葉と語りで全てを表現していく落語という芸能では、一つの台詞も、それを発する声や表情や雰囲気、使う言葉の特長で、登場人物が誰であるかを伝えていきます。登場人物たちの関係性や情景を想像し、噺家の頭の中に広がる世界を語りと笑いで伝えていくのです。一つ言葉を発する時に、噺家が大事にしていることとは。修行時代のエピソードを交えてお話しし、おしまいに落語を一席ご披露いたします。
【第二部】
(6) ポスターセッション
(6-1) ポスター概要説明
1. 産業日本語研究会・ライティング分科会活動 |
佐野 洋 橋田 浩一 谷川 英和 石附 直弥 塩谷 敦子 八田 香里 隅田 英一郎 高橋 幸生 |
(6-2) ポスター発表(ホール後方・ホワイエ)
ホール後方とホワイエの各ブースにてポスター発表。
【第三部】 データ共有に向けて
(7)データ共有による研究とビジネスの共創
~AIオープンデータ協議会の発足と活動について~
田丸 健三郎 | 日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 NTO |
深層学習の活用が様々な研究分野で広がる中、データアクセシビリティが新たな課題として注目されています。特にマルチモーダル、ヘテロなデータを必要とする場合、このデータアクセシビリティが大きな課題となっています。一定の額を支払う事により必ずアクセスできる音楽データと異なり、自然言語、気象、公共交通、地理といった様々なデータを複合的に使用する場合、個々個別に交渉、契約を結ばなくてはなりません。AIオープンデータ協議会は、データアクセシビリティ、AIサービス基盤の提供を通して社会課題の解決に取り組みます。
(8)対訳データを集積しニューラル翻訳のモデルを配布する翻訳バンク
隅田 英一郎 | 情報通信研究機構 フェロー |
言語資源の有用性は広く認知されている。特に、対訳コーパスは高精度のニューラル翻訳を構築するための必須要素であり、量が多ければ多いほど高精度を実現できると考えられている。総務省とNICTは日本語と多言語の対訳コーパスを大規模に集積する新しい仕組(翻訳バンクと呼んでいる)を創出し運用している。翻訳バンクでは、対訳データを流通させるのでなく、対訳データの2次生成物であるニューラル翻訳のモデルを配布している。本講演では翻訳バンクの特徴とその進捗状況についてご紹介する。
【クロージング】
(9)閉会挨拶
井佐原 均 | 産業日本語研究会 世話人会 代表/ | |
豊橋技術科学大学 情報メディア基盤センター長・教授 |
■懇談会・意見交換会
シンポジウム終了後、丸ビル5F カンティネッタ バズにて懇親会・意見交換会(定員:先着50名、会費:3,000円)の開催を予定しております。会費は、シンポジウム受付にて当日お支払いいただきます。領収書が必要な方は受付にてお申出ください。
■シンポジウム全般のお問い合わせ先
高度言語融合フォーラム(ALAGIN)内
産業日本語研究会シンポジウム事務局 担当 岡本
TEL 03-3351-8166
■事前申込締切 2月14日(木)
ご参加希望の方は、以下の「事前申し込み」をお早めに行ってください。座席数(200席)が満席になり次第、申込を締め切らせていただきます。
申込手続等についてご不明な点がございましたら、上記までにご連絡いただければ幸いです。
なお、座席に空きがある限り、直前、当日の申し込みもお受けいたします。
■事前申込先
満席につき、事前申込は終了しました